せきのいって酒知ってる?知らんやろー
めちゃくちゃうまいんだ
ネットで調べてもなかなか売ってない
今日注文したから入ったら呑ませてやる

と言われました。

曰く出張先での夕食に出てきた酒で、呑むとスルッとさわやかでフルーツやワインのような味だった、とのこと。

で、僕は
「せきのいの、何ですか?」
と聞きました。しかし
「せきのいって言うてるやろ。きみアホか」
と返ってくる。

とてもイヤな予感がしたのです。酒屋の店長やってた自分的あるあるパターンなのですコレ。

まず、せきのいを呑んでおいしかったという事実はおそらく正しいのだけど、ディテールが全欠損しているのです。

■銘柄だけではなく、特定名称酒・普通酒などの区別がついてない

のです。たしかにせきのいが美味しいかったとして、おそらくフルーツやワインという比喩からして
せきのいのラインナップの中でも吟醸か純米吟醸を中心にした銘柄を呑んだことが想像できます。
しかし、注文ログを見せてもらったら「上撰」と書いてあるじゃないか。。おいおい。しかも一升瓶で10本もオーダーしてしまっているご様子(酒の入数単位もわかっていないので6の倍数で注文することもしていない)。
上撰っていうのは昔で言う一級酒。と言ってもこれがお酒のつくりを表現する言葉じゃないんです。これはその蔵の中での格付にすぎないんです。だから上撰だからと言って悪い酒もあれば、上撰なのにめちゃくちゃ良い酒もあります。その上に特撰もあり、それとは別に特定名称酒でのラインナップもあるはずです。弱いチームの2番バッターなのか、強いチームの2番バッターなのか、2番バッターというだけでは判断できない、というようなものです。相対的。

 だから「せきのい」の全体的な体系を知っていないと上撰がどんなものなのかを推して知ることは困難なのです。

 で。
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ジャーン。
お酒が送られてきました。よろこび勇んだ注文主は嬉々として開封、試飲…

「・・・!?おかしいな、こんなやったかな・・・・」

ああ、あるあるが展開されていく・・
このパターンは統一規格でもあるのかってぐらいみな同じパターンに流れていく。

・味が落ちたのか
・売った店がニセモノを流したのか

と言った物言いです。案の定目の前で展開されていきます。自分を顧みることはありません。
それでも頭で呑んでいるものだから「ワインのように、、口当たりが甘くてやわらかくて、、」
と、以前呑んだ印象も展開していきます。この時点で二種類の酒を語っているのですが本人は気づいていません。いや、気づいているけど自分でそれを認めていません。

ちょっと呑んでみて、と僕に振ってきます。呑みたくないなぁ、、こんなの、って思いながら口にしたらワインとかとはほど遠い日常消費の酒の味がしました。辛口の。
正直言ってすすんで呑みたいという酒ではありませんでした。ああこれはあれやあれにちがいない

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あんのじょう!上撰 なのはいいですが、この原材料名見てください。醸造アルコールまではある程度許容する僕ですが、この糖類って表示の酒は普通酒。これは無理です。酸味料とかも絶対無理です。。こりゃあかん僕も逆の意味で脳で酒を飲んでいるということになりますが糖類の入った酒を体に入れるのは無理だ!

お互い酒を頭で呑んでいるというわけなのですが、15年ぶりぐらいに本醸造未満の酒を呑んでしまった。悲しい。僕は純米信者が嫌いなのですが、だけど精神的ベクトルは純米信者とほとんど同じだなぁと思いました。

翌日注文主は「あの酒は燗にしてもうまかったよ!」と言っていました。彼なりに解せない酒の落としどころを見つけたようです。僕も「ああ!燗ならまぁいいんじゃないですか」と言っておきました。お互いのセリフは共に裏腹をたどってきていますが交わった会話はキレイにつながって良かった。

ただ、あと8本ぐらい一升瓶が残っているんですねぇ、、(一本僕にくれた(いらん